2002.5.1


 
ゴスペルバンド「BABAAZ(ババーズ)
ヴォーカル 墨川 千佳子さん Chikako Sumikawa
ヴォーカル 河上 美春さん Miharu Kawakami

 
アカペラコーラスやゴスペルなど、折しも米国のブラックミュージックがブームとなっています。女声ゴスペルバンド「BABAAZ」は、この流行の8年前から、広島を拠点に活動する女声シンガーたちによって結成されました。子育てをしながら、なおかつ自分たちの音源を追及するというバンド活動を続け、ロック、ソウル、ポップスなどレパートリーは100曲を越えます。絶妙なハーモニーで聴衆を魅了するボーカルのCHIKAKOさんとMIHARUさんに熱い意気込みを伺いました。


CHIKAKOさんはMIHARUさんに出会うまで、どんな活動をしていたのですか。
 19歳のころから、ギターを抱えて、名古屋で学園祭やライブハウスを回っていました。21歳の時、「POP CONつま恋本選会」に出場したり、「WEST WAVEベストボーカル賞」を獲得し、その後は米軍キャンプ回りのバンドメンバーとして、シュープリームスなどたくさんのミュージシャンとも共演しました。
23歳で結婚して、活動を休止。5年後にソウルバンドのヴォーカルとして再スタートしたんです。いいバンドでしたが、人数が15人と多くて、自分の望みの音楽とはいきませんでした。子どもも小さかったので、マイペースで自分の好きな音楽をやっていけたらと考えていたころ、MIHARUさんと出会いました。

MIHARUさんが、CHIKAKOさんを知ったのは?
 高校生の時に、CHIKAKOさんを見てから、ずっとファンでした。私も、自動車関係の会社の秘書をしながら、広島で唯一のサルサバンドのヴォーカルとして活動していました。
国内のほか韓国でもステージを持ちましたが、結婚後に妊娠を機にやめてしまいました。
出産したばかりで、まだ歌える環境ではないころ、CHIKAKOさんに「一緒にできるようにやろうよ」と、声を掛けてもらいました。

CHIKAKOさんは、自分たちが納得できるスタイルで音楽をしたかったのですね。

 1995年6月に、ゴスペルを歌う女声コーラスグループとしてスタートしました。4人のメンバー全員が広島出身。練習会場や楽屋には、それぞれの子どもを連れて来ましたよ。当時は0歳の乳飲み子から小学生まで。ステージや練習があると、まるで「民族大移動」です。
幸い、広島にはゴスペルを歌うコーラスグループがなかったので、珍しがられて。初めてのライブがホテルのディナーショーでしたね。バンドメンバーが増えて、純粋なコーラスグループではなくなってきましたが、昔も今も演奏するのは、60年代後半から70年代半ばのロックやソウル、ポップス、リズム&ブルースなどです。

60年代となると、MIHARUさんがまだ幼いころでは。

幼稚園児か小学生のころになりますが、テレビではモンキーズなどの洋楽をやってましたよ。カーペンターズも大好きで、英語の歌詞にカタカナをふってもらって、一生懸命に覚えました。親戚のお姉ちゃんが持っていたビートルズの白いアルバムをこっそり持ち出して、「オブラディ オブラダ」を聴いたり・・・。だから、「音楽は英語でないと」という感じですね。シュープリームスなどレパートリーはざっと100曲ありますが、すべて英語です。でも、オリジナルはどうしても日本語の作詞になっちゃいます。感じたことをダイレクトに表現するとなると、どうしても。

子育てをしながらもバンド活動を続けてこられたCHIKAKOさんの秘訣は何ですか。
理屈ぬきに歌が好きだから。最初は、家庭からの持ち出しが多くて、何をやっているのやら・・・。ディレクターとして関わっている夫から「プロを超えたアマチュアになれ」とはっぱをかけられ、周囲を納得させるには、自分たちが本気でやるしかないと。控え室にベビーシッターを雇うまで2年かかりましたが、今では、月1回のペースでステージを持っています。2枚目のオリジナル「I wanna free fly to the sky」も5月末にリリースして、6月4日には、鈴木聖美さんのライブでもオンステージ。夏には恒例の九州ツアーに出かけます。

どんどん仕事の幅が広がってきますが、MIHARUさんの将来の夢をお聞かせください。
コピーものでもリメークして歌っていれば十分でしたけども、共演した大阪のバンドがオリジナルを演奏しているのを聞いて「ああ、オリジナルは自分たちの顔なんだな」って。これからは、どんどんオリジナルを増やしていきたい。私が詩を書いて、CHIKAKOさんが作曲で、バンドのメンバーがアレンジをしますが、メンバーそれぞれの感情が混ざって一つの完成品になるまでには山あり谷あり。さわやかなカントリーになるはずの曲が演歌っぽくなったりで、お蔵入りになった曲もいっぱい。
日本人だから、どうしても「抑える美徳」が根っこにあるのを感じます。CHIKAKOさんに「もっともっと出して」と言われても、そこまで感情や動きが行かない時も。ステージを降りて家に帰ると、どっぷり日常が待っている。スポットライトを浴びて英語の歌を歌っていても、家では浪花節が流れていたりするわけです。心のチャンネルをいつも開け閉めできる状態にしておかないといけないなと思います。
ライブもずっとやっていきたいし、CDも増やしていきたい。でもね、どんどん仕事をするより、活動はランダムでも、自分たちが向上するような仕事の取り方をしたいですね。


 

【BABAAZプロフィール】


▲BABAAZ CD
 1995年6月結成。98年より、ライブ中心の活動を始め、年1度の広島でのソロライブのほか、西日本を回るツアーも実施。2000年、ファーストアルバム「雨上がりの太陽」を発売。中国セルラークリスマスキャンペーンなどCMソングも多数。

【メンバー】
CHIKAKO(Vocal 墨川千佳子)/MIHARU(Vocal 河上美春)/
MIKI(keyboard 谷川美樹)/Yukihiro Ishida(Guitar石田幸広)/GITSU(Bass・岡村義行)/Yoshimi(Music director墨川省三)

【BABAAZ最新ライブ】
鈴木聖美LIVE2002〜オープニングACT・BABAAZ
時:2002年6月4日(火)18時30分開場・19時30分開演
所:広島市中区東白島町12-9 Bad Lands
問:アブコム TEL0827-22-6543

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